見果てぬ夢を見果てたり。
初めてライダーの宝具「王の軍勢(アイオニオン・ヘタイロイ)」を見たときは口があんぐり。
英霊が英霊のそれも軍勢を召喚する。
こんなヤツ誰も勝てないだろ。
そう思うぐらい圧倒的に見えました。
しかしそれを軽々と凌いでしまったアーチャー。
セイバーのエクスカリバーは対城法具。
しかしアーチャーの乖離剣エアによる、
「天地乖離す開闢の星(てんちかいりすかいびゃくのほし/エヌマ・エリシュ )」は対界方具。
城の上が世界ってカテゴリぶっ飛び過ぎてた。
虎の子の王の軍勢を失っても前進するライダー。
愛馬ブケファラスがやられても、剣が刺さってもその進軍やまず。
そして遂にアーチャーに一太刀浴びせんとするものの、鎖に全身を拘束されてしまう。
ライダーの誘いを「我が友は古今にただ一人のみ」と拒絶したアーチャー。
最後にライダーを阻んだのはその友を象徴する「天の鎖」でした。
強大な力とそれに相応しい力量を持ちながら破れてしまう。
でも妙に爽やか、悲しいよりも感動する。
そんな謎の充足感を残しつつライダーは消えていってしまいました。
遂に対峙した英雄王と征服王。
個人的に、事実上の決勝戦だと思っていました。
戦車が無いぞ、どうした事だ!
万全の敵を完膚無きまでに叩きのめしたかったアーチャーはご立腹。
でも「完璧でないがゆえに完璧以上」と放言するライダーに納得した。
酒を酌み交わし、この後に及んでギルガメッシュをスカウトするライダー。
王の軍勢に「ゲート・オブ・バビロン」の武器を持たせたら最強じゃね?
うん、確かに宇宙だって征服出来そうだ。
こういう人に夢を見させる事が言えるから王なのかもしれない。
普通なら身の程知らずの世迷言と冷笑を浴びせるアーチャーですが、快活に大笑い。
何故ならライダーはどこまでも本気であり、その力量も十分あると分かっているから。
アーチャーが…王だ。
ひたすら傲慢で尊大、ワガママな子供がそのまま大人になっちゃった感じのあったアーチャー。
ことライダーに対するとどんどん風格が増して行きました。
対等かそれに近い相手以外はどうでもいい。
眼鏡にかなう相手と対峙して、初めて王の姿を垣間見ることが出来るみたいです。
自分以外を「雑種」と言い、全てを見下しているように見えていたのは、本当に高みにあったから。
人智を超えた力を持ってるライダーすら遠く及ばない。
そして自分に近いところまで来ていた彼を倒しつつも貶めるようなことは決して無かった。
自分を敬愛する者には慈悲深い、というのは嘘ではないみたいです。
この世は面白い、俺が保証する。
消えゆくライダーに声を掛けたのは彼を認めたからに他ならない。
生憎と王は自分であり、友人枠も埋まっていた為共に歩むことが出来なかっただけ。
普通少年漫画なら仲間居る方が勝つだろう!
と言いたくなりますが、彼は孤高であっても孤独ではないんですね、友達居ましたから。
同じく孤高であったセイバーと比べ、友人が0か1かの違いは大きいということでしょうか。
忠道大義。
ライダーを葬った後、マスターであるウェイバーをどうするのかも気になった。
まさか無条件で放免はしないだろう、実際に詰問しています。
ウェイバーは自身がライダーのマスターではなく臣下であり、生き残れと言われたから死ねないのだと戦いを拒否。
これを受け入れたのはライダーに敬意を評したことに加え、ウェイバーが既に令呪を失いマスターではないことが大きかったでしょうね。
二人は自由意志で共に在った。
令呪で結びついていたコンビなら切り捨てていたでしょう。
バーサーカーの正体。
本来ならこれだけでも相当の山場となるイベントだった。
しかしライダーVSアーチャー戦の影に隠れた感は否めない。
まったく贅沢過ぎる脚本です。
見えないはずの剣の間合いを見切られていることに気づいたセイバーは自分を知る者ではないかと名乗りを要求。
バーサーカーに問答する意味あるのかな、そう思ったら素直に正体晒してくれましたね。
あれは…アロンダイト。
まずセイバーが持っている剣に反応しました。
そして面を外したその顔は当然、
キャスター!
…もとい、湖の騎士サー・ランスロット。
狂った顔がキャスターそっくりだったもので。
臣下を救うばかりで、導こうとしなかった。
何故貴方が…という話は言うまでもないこと。
アーサー王伝説では妻グィネヴィアと部下ランスロットの不倫に端を発し円卓の騎士の団結が崩壊しています。
お前が俺の妻に手を出したのが悪いんだろ。
とはならず、自身を責めてしまうのがセイバーなのか。
嘗ての「聖杯問答」でライダーに言われた台詞が頭をよぎっていますね。
そのライダーが既にこの世を去ったことを知る由もなく、目の前の相手に愕然となるセイバー。
バァァサァァカァァ!!
なんじゃその呻き声、と思ったら「バーサーカー」じゃなくて「アーサー」って言ってるんですね。
ライダーVSアーチャー戦と違い、どう転んでも泥沼にしか見えない状況で次回です。
果たしてセイバーに倒せるのか。
おじさんの体が持たずに尻切れという展開もありそうです。
しかし今回はとにかくライダー、そしてギルガメッシュが格好良すぎました。
王の軍勢とゲート・オブ・バビロンの激しい打ち合いになるかと思ったのですが、アッサリ乖離剣エアで片付けられたのは予想外。
しかしそれだけ両者の実力に差がありすぎたのかな、と最後の突進を見て思いました。
それにしてもライダー陣営が終始主人公という印象でしたね。
本来の主人公が外道過ぎるだけに。
彼らが退場した後、ラストをどう盛り上げていくのかは正直未知数です。
奇しくも今日は6月10日。
日本では「時の記念日」でもありますが、
紀元前323年6月10日はイスカンダル=アレクサンドロス大王が32歳で亡くなった命日でもあります。
何という符合。
やはりこのアニメの主人公はライダーだったという気がしてなりません。
次回は
Fate/Zero 第24話 『最後の令呪』
です。
>紀元前323年6月10日はイスカンダル=アレクサンドロス大王が32歳で亡くなった命日でもあります。
偶然の一致・・・にしても出来すぎてる気がしますね。狙ったわけでもなさそうですし、こんなことってあるんですね。
偶然だとは思いますが、奇縁としか言いようがありません。
因みに現代旧ユーゴスラビア連邦に所属した国がマケドニアとして独立国となってます。
しかし、
アレクサンダー大王の時代のマケドニアはギリシャ人中心。
現在のマケドニアはスラブ人中心の国。
だそうでギリシャから反発を食らってるらしいですね。