籠の鳥とはまさにこの事。
衣食住に不自由はないが、自由のない生活。
カミーユの境遇はそんな感じみたいです。
クロードの事は愛してるけど結婚するという考えは頭にない。
家の外には絶対に出ない。
暗に箱入り娘を強要されているんでしょうね。
そこがクロードと噛み合わない。
「せっかく遊びに誘っているのに、カミーユは付き合いが悪い」
「本や人づての話ばかりで、実際に見たり体験しようとしない」
「親に怒られる事に怯えている」
えらく気の弱い、消極的な娘に見える訳です。
貴族の令嬢に相応しい養育。
恐らくカミーユの母は元貴族か何かじゃないんでしょうか。
そして娘をいずれどこぞの貴族に嫁がせたい。
要するに高級料亭用に養殖されている魚みたいなもの。
故に平民の娘でありながら、可能な限り貴族的な養育を課されている。
アリスの様に奔放に振る舞うと、
これだから平民の娘はとか、所詮は山だしと揶揄されかねない。
勝手なことしたら父ちゃんに怒られる。
クロードの認識とはレベルが違う。
この差は境遇の違う子供には理解出来ないでしょうね。
カミーユ脱走。
すれ違いからかだんだんと来なくなってしまうクロード。
今日は来てくれるかな。
期待しては待ちぼうけという日々が続くカミーユ。
なんかデートをすっぽかされた感じがして可哀想ですね。
遂に家を飛び出してしまうカミーユ。
クロードは今は亡き父の元、看板屋の手伝いをやっていた。
働く男って格好良い。
そんな風に見えるんでしょうかね。
ところがクロードと目があった途端、猛ダッシュで逃げ出してしまう。
厳しい制限があったのね。
会いに来た癖に逃げ出すカミーユに訳がわからないクロード。
単にカミーユが外へ出ただけなら怒られるのはカミーユ。
しかし「クロードのために」となると怒りの矛先はクロードに向けられる。
当然二度と会えないようにされる訳です。
クロードと会っていることは母には内緒。
家から出ない代わりにと、父に見逃してもらっていた。
カミーユとしてはかなり危ない橋を渡っていたんですね。
おぼろげながら状況を理解したクロード。
怒りながらも悲しげなカミーユを前に無力感にさいなまれる。
子供心にはキツい立場の違いですね。
カミーユ絡みは癒しが少ない。
何しろ悲恋ですから。
その一方でアリスは今日も元気ですね。
湯音相手に必死で覚えた茶道を披露。
でもお茶に砂糖は入れないで。
紅茶で分かる通り、欧米ではお茶=砂糖を入れる物なんですよね。
アリスは好き勝手に外出して湯音に会いに来る。
しかしカミーユにはそれが許されない。
衣食住に不自由せず、おまけに行動は自由。
アリスの方が恵まれていますね、というところで次回です。
打開策は無いものか・・・。
現在のカミーユとクロードの胸中はどうなんでしょう。
既に立場の違いを互いに受け入れたのか、火種は未だにくすぶっているのか。
アリスの様に家を飛び出していくぐらいの度胸がある人間は稀です。
そしてクロードも万難を排してカミーユと駆け落ちする甲斐性は無さそう。
店の経営や湯音の着物を買い戻すのもおぼつかないんですから。
頭と尻尾が抜けてる。
中々良いお話でしたが、そもそも二人の馴れ初めは何だったのか。
そして母親にバレて引き離された事があったのか無かったのか。
そこらへんがまだ明らかとなっていませんね。
次回は異国迷路のクロワーゼ 第10話 『魔術幻燈』です。
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