長らく放送延期になっていた「魔法少女まどか☆マギカ」の第11&12話(終)が一挙放送。
今期一番楽しみにしていたアニメが最後まで延期されただけに、期待も高まります。
なぜ「まどか」だけ延期が長かったのか
東日本大震災の影響で放送延期されたアニメは多々有りました。
しかしまどかの延期は異常に長かった。
スケジュール遅延をこれ幸いと隠しただけかも、という予想もあったのですが、
災害から避難する住人の描写が地震と丸被りだったから。
確かにこれは放送できませんね。
まどかの魔力はほむらが原因
何故普通の少女に過ぎないまどかに膨大な潜在魔力があるのか。
魔力の強さは因果の強さで決まる。
王族とか英雄など大物であればあるほど強力な魔法少女になる。
対してまどかは普通の中学生です。
キュゥべえが出した結論はほむらの時間遡行。
彼女はまどかを助けたい一心で、何度も何度も時間を遡って試行錯誤してきた。
まどかを中心に因果を強くした結果が強大な魔力となった。
なんと言う皮肉。
「貴様らの頑張り過ぎだ!!」
「逆襲のシャア」みたく、努力が裏目に出た結果というわけです。
京子居ても無理じゃないの?
「ワルプルギスの夜」 は世間ではスーパーセルと呼ばれる強大な嵐として認識。
まどか一家も避難する羽目になります。
結界に拠らず、世間一般に堂々と姿を現すことが出来る。
それだけ凶悪な魔女という訳ですね。
ほむらはロケットランチャーやミサイルランチャー、爆薬まで駆使して戦います。
軍隊の武器を根こそぎ盗んでいたんですね。
「コマンドー」のお買い物レベルじゃなかった。
普通ライフル一丁無くなっただけで大騒ぎになるのに。
逆に量が多すぎて公表できない→ほむら追求されず、でしょうか。
しかしワルプルギスの夜は応えない。
彼女はどれだけ強いんでしょう。
魔法少女だったころはさぞや名のある人物だったのかもしれない。
正直京子が居ても何も出来なさそう。
ほむらの力ははるか上なのに、更にそれを圧倒するほどの存在という感じです。
何度やっても勝てない
そのうえここで時間を遡れば、まどかの魔力は更に強大化する。
八方塞がりの状況になったほむらの前に、遂にまどかが登場して次回です。
この二人の関係は唐突謎だった
さやかの死体が発見され、葬式から話が始まりました。
上級生にも行方不明者が居て問題になっているらしいですが、これはマミの事でしょうね。
担任の早乙女先生は精神的に打ちのめされ、まどかの母洵子と酒を酌み交わす。
どういう知り合い?
三十路近いとは言え、14歳の子持ちでキャリアウーマンとの接点は唐突謎過ぎる。
伏線が必要だったんじゃないでしょうか。
※第一話のまどかと詢子の会話から、知人であるという伏線はありました。
仁美の「いい人」演出は要らなかった
またこの件でさやかから恭介を奪い取った仁美も落ち込んでいるらしいです。
いい人っぽく見せる演出かも知れませんが、無理です。
確かに彼女に罪はありません。
でも道徳的には、また友人としての立場としては最低。
悪意無き悪事を為せる人なんでしょう。
彼女の好意を正当化するなら、怪我をした恭介を見舞うとか、そのとき互いに意識している様な伏線が必要だった。
つまり最初からさやかの独り相撲だと見せておかないと。
再起不能時には病院に近づきもしなかった。
奇跡の回復を遂げたら急接近。
随分と都合の良いお嬢様だとしか思えない。
少なくともさやかとは友達になれる相手ではなかった。
とても同情は出来ませんね。
キュゥべえの例えは違う
彼と魔法少女の関係を人間と家畜の関係に例えていましたが、それは違うでしょう。
人間は生存競争の結果牛や豚を家畜にしたのであって、交渉した訳ではありません。
だから牛や豚が人間に牙を向いたとしても文句は言えません。
言葉が通じないからというのも有りますが、取引ではありません。
的外れもいいところなんですが、屠殺シーンに動揺したまどかは言い返せなかったみたいですね。
そして話は最終話へと続きます。
私、魔法少女になるよ
いよいよ「魔法少女まどか★マギカ」も最終回。
ワルプルギスの夜に返り討ちにされたほむらの前にまどか登場。
そして魔法少女になる旨を伝える。
ほむらの努力をドブに捨てるような話ですがそれは、
全ての魔女を生まれる前に消し去りたい。
・願い事を100個にして欲しい。
・地球に来るサイヤ人をやっつけてほしい。
級の無茶な願い事。
ほむらの思惑を超え、キュゥべえの言う膨大な潜在魔力を逆手に取った見事な願いでした。
「全ての宇宙、過去と未来の全ての魔女」と、曲解されないように詳しく述べているのが上手いですね。
何しろキュゥべえには騙され続けましたから。
さあ、叶えてよ。インキュベーター!!
念押しするまどか。「キュゥべえざまぁ見ろ 」と思ったのは自分だけでは無いでしょうね。
但し「魔女を消す」というところがミソ
傷ついた魔法少女は魔女化せずに死んでいく。
「魔法少女が魔女化するのを防ぐ」ところに留まります。
つまりマミ、さやか、京子が死ぬことに代わりはない。
どうせなら魔法少女になる前の状態に戻せばという気もします。
ただそうなると自然発生した魔女や世界の危機への対処方法が無くなってしまうんでしょうね。
過去や未来に飛び、全ての魔法少女のソウルジェムを浄化してまわるまどか。
無名の魔法少女に混じって、卑弥呼、クレオパトラ7世、ジャンヌ・ダルクとおぼしき人物も見えます。
生没年の分からない卑弥呼や19歳で死んだジャンヌはまだいいです。
クレオパトラは40歳で死ぬまで魔法少女やってたのか。
ちょっと気になりますね。
まどか神になる
過去と現在という次元を超越したまどかは神に近い存在となり、穢れを浄化していく。
この現象を見ることが出来たのは時間の魔法を操るほむらと個という存在が無いきゅうべえのみ。
やがてその記憶も無くなってしまう。
まどかが最初から存在しなかったような世界への改変。
貴方はそれで良かったの!?
ほむらの叫びに対し、
いつかほむらちゃんが思い出してくれるかもしれないから。
笑って消滅していくまどか。
魔法少女の戦いは続く
・ソウルジェムは穢れきってしまうと消滅する
・敵は魔女ではなく魔獣
こうして改変された世界でほむらは戦い続けていた。
まどかの事は本当にあった事なのか、それともほむらの妄想なのか曖昧。
他にまどかの弟タツヤが強く、洵子が弱く「まどか」を意識しているのみ。
本当に起こったかどうかもあやふやな記憶を信じて今日も戦うほむら、というところでラストです。
構成が見事だった
近年、
キャラが可愛いだけで脚本や演出がテキトー。
チグハグな設定や言動でもご都合主義ですべて解決。
というアニメが随分増えました。
それで売れるなら、ある意味正しいのでしょう。
そんな中で伏線を納得の行く形でほぼ全て回収し、1クールにも関わらず余韻を持ったエピローグまで付けて完結。
ここまで精緻なシナリオは四畳半神話体系以来です。
増して原作が無いオリジナル脚本でしっかりしたものを見せられるとは思わなかった。
まさに脱帽です。
たったひとつの不満
それは何といっても、
まどかがワケ分かんない存在になって帰ってこない
ことです。
個人的には主人公は戦いを終えて帰還してこそハッピーエンドだと思っています。
どんなにボロボロでも、沢山の仲間を失っても、生きて帰ってきてこそ明日の希望が芽生える。
そう思っているからです。
あくまで個人的な志向の問題ですが。
イロモノではなくアンチテーゼ
魔法少女としては異色の作品である本作ですが、奇をてらったセオリー無視のウケ狙いとは思いません。
むしろ今まで魔法少女モノで無視されてきた部分にスポットを当て、それに正面から向き合った真の正統派じゃないかと思います。
・魔法などという都合の良い力が何の脈絡も無く与えられるものなのか
・いきなり出てきた謎の生物は信用できるのか
・著名なアスリートや軍人ではなく平凡な学生を頼るのは何故か
・何故大人ではなく子供が対象なのか
・世界の命運を賭けて強大な敵と戦うのに描写が軽過ぎないか
・生存競争をしているのに味方が死なないとか甘すぎないか
・倒したら光の粒子になるとか都合よく消えるのはおかしくないか
・死体は残り、やがて腐るものではないか
・死んだ人が主人公の涙や視聴者の要望であっさり復活するのはご都合主義過ぎないか
子供向けとして意図的に無視されていた部分にスポットを当てたアンチテーゼなんだと思います。
単なる皮肉である「外道魔法少女シリーズ」とはアプローチが異なります。
二期は・・・
人気があると当然上がってくる続編への期待。
但しシリーズ化されて作品がどんどん劣化していく例も少なく有りません。
それだけにやって欲しい気持ちがある一方、これで終わらせたほうが良いという気もします。
せっかく綺麗に終わったんですし。
ヘタに二期やっても引継ぎキャラがほむらだけ、あとは新キャラだと興ざめでしょう。
逆にまどかやマミ達をあっさり復活させたら、
「ご都合主義だ、あの感動を返せ!!」
となりかねません。
(注:書いた当時の勘違いです、消えたのはまどかとさやかでマミや京子は復活しました。)
どちらかと言えば続編には反対ですが、やるかどうかは製作次第ですね。
商業的な判断なら間違いなくGOでしょう。
ともかくも「魔法少女まどか★マギカ」は終了です。
久々に脚本の質が良いアニメを見させていただきました。
スタッフの皆さん本当にお疲れ様でした。
>逆にまどかやマミ達をあっさり復活させたら、
>「ご都合主義だ、あの感動を返せ!!」
となりかねません。
……えーと、魔女のいなくなった世界では、マミさんとキョウコちゃんは、生きてるよ?『バイオリンのシーン』と『弟が地面に落書きをしてるシーン』の間のシーン参照。サヤカが魔女にならず消滅したから、キョウコちゃんは相打ちになってないし、マミさんもあの魔女に喰われてない。
すみません、書いたときには分からなかったんです。
後で消えたのはまどかとさやかだけってのを知りました。
文章を一部訂正します。
先生とまどか母が知り合いって伏線は第1話の会話からありますよ~
朝のまどかとママの会話にありましたね。
でも何故知己なのか(それも身の上話するほど)が分からなかったです。
歳は離れていそうだし、教師とキャリアウーマンじゃ職場での接点も無さそうですし。
伏線云々の文言は修正します。
感動しました最終回漫画全部持ってます最後のリボン託すシーンが泣けました
11話の最後のシーンで決意を固めたまどかちゃんがほむらちゃんを助けに行こうとして
お母さんが怒って引き留めようとするシーンも覚えてます
>お母さんが怒って引き留めようとするシーン
あれが永遠の別れになるんですからね…。
しかも記憶から消され存在自体が無かった事になってしまうという。
上記のレビューにもある通り、このまどかの扱いだけはずっと心残りです。
>キュゥべえの例えは違う
強制するのも騙すのも自己の都合の為に他の生物の尊厳を無視するという点では同じでは
人間から見れば酷い話ですが人間も結局弱肉強食の論理で地球の覇者をやってるわけですから、より上位の存在にそれをやられても仕方がないというのはまあその通りかと
嫌なら強くなるしかないわけです
まあ後に叛逆で(ry